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私が目指す岡山市の将来像

更新日:8月31日

1 はじめに

 私が目指す岡山市の将来像について、今一度説明したい。


 私は、社会システムの抱える構造的問題を解決するため、政策の中核として、「幸せ指標」と「デジタル民主主義」を掲げている。

 それにより、新たな時代の行政システムを構築し、持続可能な地域社会を実現することが私の目指すところである。


 ただ、私の想いとは反対に、市民の方から「幸せ指標」や「デジタルデモクラシー」について「よく分からない」といった声をいただいているのも事実である。

 

 市民にとって、やはり身近な地域課題に興味があるのは当然のことで、その背景事情への課題解決策は、どうしてもイメージしにくい。

 身近な地域課題にフォーカスすることは重要であるが、フォーカスしすぎると、そもそも「私は何を達成したいのか」という点がぼやけてしまい、ポピュリズムに走ってしまう危険性がある。

 

 例えば、私はアリーナ整備計画について白紙撤回の提案をしているが、アリーナ計画は身近な話題であり、多くの市民から関心を持たれる一方で、それだけに取り組むと木を見て森を見ずといったように、私が「アリーナに反対する人」だけになってしまい、本当に訴えたいことが薄れてしまうリスクがある。

 そうした危機意識を感じたので、再度目指したい将来像について説明することにしたい。


 私は、政策には2種類あると考えている。

 社会課題に対する対処療法的な政策、そして根本治療的な政策だ。


 現在は参議院選挙期間で、数多くの政党がそれぞれ政策を掲げているが、私からすれば、その多くは対処療法的な政策提案に感じる。

 例えば、少子化の問題における子育て世代への補助金や税金の減免、物価上昇対策での給付金、消費税廃止、ガソリン暫定税率廃止などだ。


 もっと例えると、対処療法的な政策が、ガラケーで「○○の機能を付ける」「△△の部分を改善する」といったイメージであれば、対して根本治療的な対策は、ガラケーからスマートフォンへの乗換えといったイメージである。

 すなわち根本治療的な対策とは、社会システムのイノベーションなのである。


 社会課題は数多くあるが、その背景、原因をたどっていくと、根本には土台となる社会システムに行きつく。

 木の幹から枝葉が伸びていくように、枝葉の課題へ一時的に対処しても、また違う形で課題がでてきてしまうのである。

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 そこで今回は、「少子化」という社会課題を題材に、この「幸せ指標」と「デジタルデモクラシー」がどのように根本治療的なアプローチを行うのかについて説明したい。


2 少子化の現状

 まず、岡山市の少子化の現状について説明する。

 岡山市では、平成25年から令和6年にかけて、出生数が約1900人減少し、率にして約30%も減少している。

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 約1900人の出生数減少と聞いて、岡山市の人口は約71万人もいるのだからと考えてはいけない。

 もし平成25年の水準のまま推移していたと仮定すると、累計1万1000人の子供が減少したことになるのである。


 こうした少子化は、岡山市に限ったことではなく、全国の自治体で同様の問題が発生しており、日本全体が少子化という病にかかった状況である。

 日本の合計特殊出生率は、令和6年時点で1.15と過去最低水準であり、人口維持に必要な2.07を大きく下回っている。



3 対処療法に留まる子育て支援策

 政府や自治体は、これまで少子化対策として様々な子育て支援策を打ち出してきた。

 経済的支援としては、児童手当の拡充、保育所の定員増や待機児童対策、出産一時金の増額、育児休業制度の整備があげられるが、残念ながら少子化の歯止めには直結していない。

こども家庭庁 こども・子育て応援MAP
こども家庭庁 こども・子育て応援MAP

 このように現行の子育て支援策は限定的な緩和策に留まり、少子化という病の根治には至っていないのである。



4 資本主義の負の面が出生数低下の原因

 少子化の根本的な原因には、現代資本主義が持つ二つの負の面がある。

 それは「付加価値至上主義」と「財界主導の民主主義」である。


 「付加価値至上主義」とは、経済成長や企業利益を最優先し、生産性や効率、付加価値の拡大ばかりを追い求める価値観だ。

 この考え方が行き過ぎると、長時間労働や低賃金、非正規雇用の拡大といった形で労働者の生活が圧迫されていき、家庭を持つ余裕が奪われていく。

 企業が利益至上主義に偏るあまり、人件費を抑制し続け、税負担や社会保険料の増加も相重なって、私が市民経済計算や家計構造調査から分析した結果、労働者が生み出す価値を100とした場合、最終的に可処分所得として残るのは30程度に過ぎない状況となっている。

労働者の可処分所得 (市民経済計算と家計構造調査から推定)
労働者の可処分所得 (市民経済計算と家計構造調査から推定)

 江戸時代で例えるならば、七公三民であり(正確には公ではないが…)、一揆が起きてもおかしくない状況なのである。

 こうした働いても可処分所得が報われにくい現実は、「結婚して家庭を持っても幸せになれないのではないか」と社会への不安が高まるほか、現実的に教育に係る費用の捻出が難しくなることになる。


合計特殊出生率が低下する本質的要因(統計でみる都道府県のすがた2022から作成)
合計特殊出生率が低下する本質的要因(統計でみる都道府県のすがた2022から作成)

 合計特殊出生率の相関を調べた際、1人当たりの県民所得が多いほど、合計特殊出生率が下がる傾向にあることが分かる。(図左上)

 1人当たりの県民所得とは、労働者の付加価値創出であり、これは労働者になるまでにどれだけ教育コストを掛けているかにかかってくる。

 そうしてみた際、消費における教育費の割合が高い県ほど、合計特殊出生率が低いという面が見え(右上)、結局のところ、労働者の再生産コストが労働者が貰う収入に比較して高くなりすぎているのが少子化の実態であると見える。

 これは少子化が先進国(付加価値創出の高い労働者が多い⇒労働者再生産コストが高い)で起きていることを考えても納得しやすい。


 さらに付加価値至上主義は個人の意識にも浸透していく。

 人の行動レベルにも経済的合理性のある行動こそが正しいといった風潮が広がり、結婚はコスパが悪い、子育てはコスパが悪い等、本来、経済的視点だけで判断すべきものでない事柄に関しても経済的合理性を求め出す。

 そして、高付加価値を生み出せる人間こそ価値がある=人間としての価値がある、という拝金主義的な意識変化も進み、結婚して子供をつくるという行為自体に対する社会的価値が下がり、少子化の一因につながっていく。 


 もう一つの問題、「財界主導の民主主義」とは、政治意思決定が市民全体よりも一部の経済界の意見に偏りがちという問題である。

 民主主義では、経済分野だけでなく、社会的再生産や環境対策等、社会を取り巻く事象全体を見なければならないが、政治と金の問題で知られるように、市民全体や次世代のためではなく、一部の経済界の意見に偏った政策が推進されていく。


 例えば、莫大な公共事業投資や大型開発は経済界に利益をもたらすが、その恩恵が市民全体の幸せに繋がるかは疑問である。

 企業誘致や再開発、特定団体に向けた政策に熱心な一方で、子育て支援や福祉施策が後手に回り、必要な再分配が行われず、市民からは「政治は自分たちの声よりも一部の有力者の都合を優先している」と映り、社会への信頼感を損なうことになる。 

 そうした声は、内閣府の意識調査で「自国はこどもを生み育てやすいと思うか」という問いに対し、約6割が「そう思わない」と回答している点からも垣間見える。

 またOECDの調査でも、我が国の政府への信頼度は24%と下から2番目のブービー賞(2023年調査)となっている。

 財界主導の政策では、経済的な数字(GDP)は伸びても、人々の政治に対する声が反映されず、需要に合わない政策が押し進められ、経済的価値のない地域や人々は軽視される。

 そうした社会では、安心感や信頼感を持つことができず、子供を産み育てようという意欲が削がれてしまうのである。

 

 このように現在社会の国民には、「働けど楽にならず、政治は自分たちを見ていない」という感覚が広がっており、社会への信頼度が低く、結婚・出産のために必要な再配分や動機を奪う構造になっているのである。



5 新しい岡山市の未来

 こうした背景事情を踏まえた上で、私は2つの中核的政策を提案している。

 「幸せ指標の導入」と「デジタルデモクラシーの実現」である。


 まず一つ目の「幸せ指標」について説明する。

 これは、市民の幸せを数値化し、政策指標として運用することである。 

 これまで日本の行政では、経済指標(GDP)を重視していたが、これは市民の幸せとは直結していない。

 こうした問題点は以前から指摘され、GDP偏重を改める機運が高まっており、国連でも「Beyond GDP」としてGDPでは測れない人々の幸せを取り入れる動きがあるほか、日本でもウェルビーイング指標として、取組みが進んでいる。


 幸せ指標を導入すると、政策の評価軸が根本から変わることになる。

 従来は経済波及効果やコストばかりに注目しがちだった政策判断が、「市民の幸せに繋がるのか」という視点で見直されるようになるのだ。

 例えば、GDP成長のために推進されてきた大型開発プロジェクトも、幸せの観点で精査すれば優先度が下がり、一方で公園整備や子育て支援拡充等、一見地味でも市民の生活満足度を高める政策が評価されるようになる。

 「経済効率最優先」から「生活実感最優先」へのパラダイムシフトが起き、市民全体の幸せ向上を目指した行政運営と変わっていくのである。

 自治体の目的は住民の福祉の増進である、この抽象的な住民の福祉の増進に関する指標として運用でき、EBPM(データに基づく政策実行)を行い、市民本位の行政運営が可能になるのである。


 もう一つの「デジタル民主主義の実現」について説明する。

 少子化対策には、当事者である若者や子育て世代の切実な声を政策に反映させることが不可欠であるが、現在の政治プロセスではその声が十分に届いていないのが実情である。

 若者世代の投票率は低く、意思決定の場のメンバーも高齢層が中心で、子育て世代が忙しい中で、市の説明会や委員会に出向くのは困難であり、結果的に政策形成から遠ざけられている状況である。

 これをデジタル技術を活用して誰もが参加できる仕組みを作ることで解決していく。

 デジタルデモクラシーとは、インターネットやITを活用して、市民参加型の民主主義を実現する試みであり、オンライン上で政策提案や討論、投票できる仕組みにより実現される。

 こうしたデジタルプラットフォームは、スペインのバルセロナや台湾でも運用されており、政策決定の透明性を飛躍的に高めたことで知られているほか、日本でも鎌倉市や加古川市で運用が始まっている。

 民主主義が投票日だけでなく、また選挙権のない若者であっても、政策を提案でき、社会を変えていける、そんな老若男女すべての市民が参加できるデジタル民主主義を岡山から実現し、市民の声を反映した需要に沿った政策を推進していく。



6 まとめ

 幸せ指標という羅針盤とデジタル民主主義というエンジンを得ることができれば、岡山市は経済的な豊かさだけでなく、市民の幸せを大切にする街に生まれ変わることができる。

 市民一人一人の声が政策に映し出され、より良く変わっていくことを実感できれば、街に誇りと愛着を生み、「岡山で暮らし続けたい」「ここで子供を産み育てたい」と思える社会になる。

 そうした新たな時代の持続可能な地域社会を実現したく、私は挑戦している。



※ 政策説明動画

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※8/31 一部追記しました。


 

 
 
 

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